思考するガム

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『『アリス・ミラー城』殺人事件』北山猛邦 /紹介と感想 探偵たちの集うクローズドサークルにて

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)

おそらく城シリーズの中で最も評価が高く、人気のある作品でしょう。

ネタバレなしの紹介と感想になります。

 

 

 

作品紹介

鏡の向こうに足を踏み入れた途端、チェス盤のような空間に入り込む―『鏡の国のアリス』の世界を思わせる「アリス・ミラー城」。ここに集まった探偵たちが、チェスの駒のように次々と殺されていく。誰が、なぜ、どうやって?全てが信じられなくなる恐怖を超えられるのは…。古典名作に挑むミステリ。(「BOOK」データベースより)

 

『そして誰もいなくなった』に挑戦した作品

孤島で登場人物たちが一人、また一人と殺されていき…と聞けば、多くのミステリファンはアガサクリスティの名作『そして誰もいなくなった』を思い浮かべるでしょう。

今作は本格ミステリであることを強調した作品になっています。登場人物たちが名探偵を自称し、本格世界の住民であることに自覚的です。本格ミステリ定番のネタに全員で言及したりと、メタ的な味わいがありました。独特な雰囲気が全体を覆っていて、とても魅力的な世界が構築されています。

キャラクターはチェスの駒めいていますが、一人一人印象に残るような言動をするので、死体となって発見されると、残念がれるほどには思い入れができました。余談ですが、ダンガンロンパ的な空気感ですよね。ダンロンのライターさんが、霧切のノベライズを北山先生に頼んだのも当然ですね。

 

物理の北山の新境地

この作品にも物理トリックが使用されています。それぞれの探偵が披露する、使われたかもしれない「物理トリック」の推理も、捨てネタとして使うのがもったいないと思えるほど、魅力的なものばかりでした。アレを使ったピタゴラスイッチ的トリックには苦笑を禁じえませんでしたが…笑

 

最後の最後には、作者の新境地ともいえるサプライズが明かされます。正直、ぽかーんとなりました。少しして、理解はしましたが、いまいち納得がいかず、ネットでネタバレ感想を見て「なるほどぉ」と唸りました。

自分の尊敬している読み手さんたちはこぞって絶賛していましたね。

 

※ここからは完全に負け惜しみ的なアレになります。不快になる可能性があるのでまとめまで読み飛びした方がいいかもしれません。

 

個人的にこれ系のトリックは、作中で違和感を作り出しておき、その違和感がラストに解消されてこそだと思うのですが、この作品ではあまりにも伏線が隠れ過ぎていて、自分的にはピンときませんでした。アリス城という独特な空気感を持つ舞台だからこそ、上手く隠せたのでしょうが、上手く隠れ過ぎていたと言いますか…。巧妙ではあるんですが、もうちょっと違和感を出してもよかったのではないか、と思いました。最後の1行を読んでも脳内でピースが埋まる感覚を味わえませんでしたので。

 

はい、見事に騙された負け惜しみです笑 

見苦しいのでここまでにしておきます。

 

まとめ

 最後に負け惜しみを垂れ流しましたが、間違いなく一読の価値のある作品です。楽しめました。ここから城シリーズに入るのもいいかもしれませんね。オススメです。

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)