思考するガム

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『ホワイトラビット』伊坂幸太郎/紹介と感想 立てこもり事件×泥棒探偵黒澤×伊坂マジック

ホワイトラビット

初期の伊坂幸太郎を思わせる作品です。ネタバレなしの紹介と感想になります。

 

 

 

作品紹介

楽しさを追求したら、こういう小説になりました。最新書き下ろし長編は、予測不能の籠城ミステリーです! 仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。SITが出動するも、逃亡不可能な状況下、予想外の要求が炸裂する。息子への、妻への、娘への、オリオン座への(?)愛が交錯し、事態は思わぬ方向に転がっていく――。「白兎事件」の全貌を知ることができるのはあなただけ! 伊坂作品初心者から上級者まで没頭度MAX! あの泥棒も登場します。(Amazon内容紹介引用)

 

語り口

作者が前に出てくるような三人称で物語は綴られます。単に奇をてらっているだけの語り口ではなく、作品のトーンと合っていて読みやすいです。楽しく読める配慮と言えるかもしれません。実際楽しめました。

 

仕掛け

割と早い段階から意外な展開で畳み掛けてきます。ネタバレしないで紹介するのが難しい(笑)

伊坂幸太郎と言えば、視点の高さ低さを切り替えて読者を騙すテクニックを得意としている作家です。複数の視点で物語は進行していくのですが、まさにその視点の移行を上手く使うことで読者に新鮮な驚きを提供してくれています。本書ではミステリ作家としてのテクニックが100%発揮されていました。近年の作品は構成の妙より、テーマを語ることに力を入れている印象ですが、この作品に関して言えば、初期のように構成の妙で魅せてくれています。純度の高いエンターテイメント性を持っていると言えるでしょう。

畳み掛けてくるどんでん返しは、どれもこれも意外なもの。特に終盤、あの人物の正体が判明した時は思わず「うおォ!?」と声が出ました。伊坂作品で一番驚いたかもしれません。

裏業界で働く男達、泥棒探偵の黒澤、SITのメンバー。みんな魅力的です。そんな魅力的な登場人物達の運命が、立てこもり事件を通して重なり合っていくのが本当に面白いし感動的です。ここは伊坂幸太郎作品すべてに言えることかもしれませんね。伊坂幸太郎は人間のつながりを感動的に書く作家ですから。

 

 

まとめ

 魅力的なキャラクタ―、構成の妙、随所に挟まれるユーモア。伊坂ファンなら絶対に楽しめる作品です。屈指の人気キャラクターである黒澤も登場しますからね。伊坂作品入門書としても最適なのではないでしょうか。無論オススメです。

 

 

 

 

ホワイトラビット

ホワイトラビット