思考するガム

ミステリ、漫画、時々映画の感想ブログです。自分の好きなものを中心に扱います。

『神様ゲーム』麻耶雄嵩/紹介と感想 良い子も悪い子も読むの厳禁!悪夢の本格ミステリー!

神様ゲーム (講談社文庫)

これを児童向けの書物として出版した作者や編集者は狂ってますよ!

児童書でありながら2006年「このミステリーがすごい!」5位にランクインした怪作です。子供は絶対読んじゃ駄目!心臓の弱い大人も読んではいけません!

 

 

 

作品紹介

自分を「神様」と名乗り、猫殺し事件の犯人を告げる謎の転校生の正体とは? 神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか謎の転校生・鈴木太郎が事件の犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。そして、鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか?(Amazon商品紹介引用)

 

麻耶雄嵩先生がお送りする悪意120%の本格ミステリです。いまでいう「イヤミス」に分類できる作品かもしれません。

かなりブラックなテイストなので、「嫌な気分になる作品は読みたくない!」という人にはオススメできません。麻耶作品を読み慣れていれば、「お、いつも通りじゃん!やってくれるねぇ!」とテンション上がること間違いなしでしょう。僕はそっちの口です。ブラックコメディとして読むのがいいんじゃないでしょうか?(きついか?)

 

神様がいるという前提

ここを疑ってかかる必要はないでしょう。神様はいるのですよ(宗教家になったみたいだ…)。

なんと今作の神様・鈴木くんは犯人に天罰をあたえてくれるのです。一瞬、優しい神様かと思ってしまいますが、そんなわけありません。なぜならここは麻耶ワールドだから。ひたすら主人公の芳雄くんが精神的に追い詰められます。

神様は知りたくもないようなことばかり口にするのです。悪意150%。

 

神様と本格ミステリ

神様の言うことはすべて事実なので、そこを疑う必要はありません。神様が「犯人は○○だよ」と言えば、犯人は〇〇なのです。究極の名探偵と言えるでしょう。

芳雄くんは神様の言葉を信じ、それをもとに推理します。神様というぶっ飛んだ設定が導入されているのに、本格ミステリとしての推理は至極まっとうという、如何にも麻耶作品らしい歪みが強烈です。普通なのに普通ではないのです。

猫殺しから始まった探偵活動ですが、後半からは仲間殺しの犯人を推理する展開になります。「犯人に天罰を下そうか?」と神様に提案され、芳雄くんは頷いてしまいます。

そこからの怒涛のトラウマ展開には、ただただ唖然。悪魔主義すぎますよ!

 

そして、ラスト。トラウマを通り越して完全に達観モードに入った芳雄くん。再び神様に天罰の依頼をし、自分の推理を開示します。もう完全に大人の風格です。ここまでされたわけですから大人にならざるを得なかったのでしょう。

天罰の瞬間を今か今かと待っていると、読者の予想を見事に裏切るオチがつきます。やってくれたなァ!と叫ばずにはいられませんでした。

 

まとめ

麻耶ファンなら歓喜の涙を流すであろう本作。ビギナーにはなかなかオススメしづらいですが、続編の『さよなら神様』は本格ミステリ大賞を獲った大傑作なので、ぜひ読んで頂きたいなぁと思います。ただ、個人的には『さよなら神様』から読んでも問題ない気がします。まぁどちらもブラックなテイストなので、印象は大して変わらないでしょうが。

 

繰り返しになりますが、子供は絶対に読んではいけません!

読む場合は自己責任でお願いします。

 

 

神様ゲーム (講談社文庫)

神様ゲーム (講談社文庫)

 

 怪作です。