思考するガム

ミステリ、漫画、時々映画の感想ブログです。自分の好きなものを中心に扱います。

『○○○○○○○○殺人事件 』早坂吝/紹介と感想 想像を絶する真相に笑え

○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

 

バカミス作品として長く語り継がれていくであろう怪作です。間違いなく好みはわかれるでしょうが、僕は大好きでした。さすがメフィスト作家。早坂先生にはエールと賞賛の言葉を送りたいです。

らいちシリーズはこれ以降進化を続けているので、今作が合わなくても3作目までは読んでほしいなぁと思います。(『誰も僕を裁けない』は傑作なので)。ネタバレなしの紹介と感想になります。

 

 

作品紹介

アウトドアが趣味の公務員・沖らは、仮面の男・黒沼が所有する孤島での、夏休み恒例のオフ会へ。赤毛の女子高生が初参加するなか、孤島に着いた翌日、メンバーの二人が失踪、続いて殺人事件が。さらには意図不明の密室が連続し……。果たして犯人は? そしてこの作品のタイトルとは? 「タイトル当て」でミステリランキングを席巻したネタバレ厳禁の第50回メフィスト賞受賞作(Amazon作品紹介引用)

 

ちょっぴり下品でエロい展開があります。とはいえ、ライトな語り口なのであまり気にならないでしょう。逆にそちら方面に期待を持ちすぎると肩透かしを食らう可能性があるので注意してください。

 

孤島、館、仮面の住民と本格ミステリでは定番の道具立てが目白押しです。コテコテと言っていいです。しかし、そういう部分にばかり目を向けていると、落とし穴にはまることになるかもしれませんよ。

 

作者が全面に出てくる

おそらくこれほどまでに作者が前に出てくる本格ミステリはないのではないでしょうか。随所に登場し、読者を煽り立てます。この部分で受け付けないと感じる方も多いと思われますが、作者の介入にこそミステリ的な企みが隠されているのです。ただ奇をてらっているわけではありません。心して読んでください。

 

トリック

一番の見どころは二重に仕掛けられたトリックでしょうね。最初のアレに気づかないと犯人のトリックを見破るのは不可能です。

どちらも「えー!(驚愕)」となる仕掛けです。「えー…(困惑)」「えー!!(怒号)」となる方も多いでしょう。反応はわかれると思います。

一発ネタに見えかねませんが、細かい手がかりの配置などがスマートにされているので本格として、しっかりしています。これ以降の作品で早坂先生は傑作をいくつもモノにしているので、やはりセンスの塊なのでしょう。処女作から片鱗がうかがえます。

 

タイトル当てという変化球

タイトル当ての本格ミステリは世界初だと思います(他にありますかね…?)。誰も考えなかった発想ではないでしょうか。その世界初(?)の偉業を、きっちりと成立させているのが凄いところ。こんなこと思いつくの早坂先生しかいないでしょ。凄いよホント。

文庫版には練習問題(!)が挿入されています。ちゃんとメインの事件と繋がりがあるのが驚きです。

 

まとめ

相当な変化球でした。変わり種の本格ミステリを読みたい方には強くオススメしたいです。

正統派好きの本格ファンも一度読んでみてはいかがでしょう。読んでみたら僕のように、その魅力に憑りつかれるかもしれませんよ。

 

 

○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

 

愉快な怪作です。

 

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社文庫)

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社文庫)

 

 らいちシリーズ二作目。またもや怪作。こちらも賛否両論を巻き起こしました。僕は大好きです。

 

 

誰も僕を裁けない (講談社文庫)

 現時点での私的シリーズ最高傑作。エロ×社会派×本格が奇跡的な融合を果たしています。