思考するガム

ミステリ、漫画、時々映画の感想ブログです。自分の好きなものを中心に扱います。

『わたモテ』の魅力について考える/遠足回で示された青春群青劇という方向性

sikougamu.hatenablog.com

 前回の記事です。

 

遠足回はわたモテにおいて重要な意味を持ちます。今回はそれについて私見を述べさせていただきました。

 

 

遠足回の役割

僕は以前「モテないし打ち上げる以降、わたモテはもこっちの成長物語から、周囲のキャラクターに関する物語に変化したと考えています。」と書きました。

 下記の記事ですね。

sikougamu.hatenablog.com

僕のこの考えがわかりやすい形で示されているのが、遠足回だと思います。

 

さまざまなコミュニティの抱える問題が描かれる

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ワケありのキャラクターたちがもこっちの周囲に集います。

それぞれ問題を抱えていて、遠足回の中で解決するものもあれば、解決しないものもあります。

面白いのは、キャラクター1人の小さな問題で終わらせることなく、それぞれのキャラクターが所属しているグループの問題に拡大して見せている点です。そうすることにより、もこっちと絡んでいないキャラクターにまで読者の興味を惹かせることに成功しています。

 

群青劇の難しさ

群青劇は話を広げやすい反面、さまざまなハードルをクリアしないといけませんから、安易に手を出すと火傷するフォーマットだと思います。

我々読者は、もこっちをずっと追いかけて来たわけですから、他の話を延々と見せられても困るわけです。下手な群青劇ですと、「お前の話には、ちっとも興味ないんだよ!」の連続になりがちです。後からメインのエピソードに絡んでくることが予想できたとしても、読んでいる間その視点キャラクターに興味を持てなかった場合、ただただ退屈な時間を過ごすことになります。

 

その点、わたモテはハードルを悠々と飛び越えていると思います。

もこっちと絡んでいない脇役まで、遠足回以前からさりげなく掘り下げられているからでしょう。前回の記事の語り過ぎないテクニックが効いている部分だと思います。それぞれのキャラクターにわかりやすくスポットを当てていたのではありません。背景や関係なさそうな会話の中に、抱えていそうな問題や人間関係の悩みをさりげなく入れることに成功しているのです。読者は意識的にしろ潜在的にしろ、それぞれのキャラクターに興味を持たざるを得ません。狙ってやっていたのだとしたら凄いことです。僕はニコ先生を信頼しているので、おそらく狙ってやっていたのだろうと思います。脱帽です。

 

もこっちという強力なキャラクター

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青春群青劇路線の成功を決定づけた最大の要因でしょう。

もこっちのキャラクターが強烈なので、他の登場人物は彼女を無視できません。ですから自然と違和感なく、もこっち中心の群青劇が展開されていくのです。正直、もこっちの個性の使い方としては、初期より上手いと僕は考えています。強烈なキャラクターが周囲の登場人物に認知されたことにより、もこっちの個性が以前よりも面白く感じられるからです。

 

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垂れ目ヤンキー杏奈さんも絶賛

 

まとめ

わたモテは今後、更に群青劇路線に舵を切っていくのでしょうか。

どのように変化していくのかはわからないですが、確実に言えることはあります。ニコ先生はとても信頼できる作家であるということです。更新を楽しみに待ちましょう。

  

 

 

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 遠足回が収録されています。