思考するガム

ミステリ、漫画、時々映画の感想ブログです。自分の好きなものを中心に扱います。

『安達としまむら』アニメ化決定!2人の女子高生のゆるいようでちょっぴりシビアな関係性を描いた傑作ライトノベル

 


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書店でこの帯を見た時、目が潤みました…(笑)

 

今回は入間人間先生のライトノベル『安達としまむら』を紹介したいと思います。

 

 

 

あらすじ

女子高生である安達としまむらは、体育館の2階で出会い、友達になった。二人は好きなテレビ番組や料理のことを話したり、たまに卓球をしたり、普通な日常を過ごしながら、友情を育んでいくが、やがて安達はしまむらに対して特別な感情を抱くようになる。自分の中に生まれた感情に苦悶しながらも、安達はしまむらと一緒に少しだけ変わった日常を歩んでいくことになる(wiki引用)

 

制服ピンポン

 

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安達としまむらは連作短編の形で話が進行します。

1巻には全5話が収録されているのですが、記念すべき第1話「制服ピンポン」。まずこれが大傑作でした。

話はシンプルです。

安達としまむらは体育館の二階で授業をさぼってダラダラとしています。

二人はさぼり仲間ではありますが、お互いのことを何も知りません。だからこそ、怠惰で心地よい関係性が構築されていたのでしょう。

安達は真正ぼっちですが、しまむらには一緒に下校する程度の友達はいるのです。

いつまでも続くと思われていた心地よい時間ですが、ある日、ちょっとした偶然から、その日常に亀裂が入ります。

しまむらが友達と下校していたところを、安達に見られてしまうのです。

しまむらは何となく気まずくなり目を逸らしてしまいます。安達も同様でした。

……覚えがありますねぇ、こういうの。いたたまれません。

これをきっかけに、二人の関係性が微妙に揺らいでいくのです。

しかし、最後には胸がスッとするようなオチに繋がります。

 

正直、入間先生の作品はやや回りくどい表現が多いように感じて苦手意識があったのですが、この作品は最初から最後まで読みやすく、とても面白かったです。

まず文章。透明感があって素晴らしい。ここまで透明感のある文章を読んだのは初めてかもしれません。安達としまむらの世界観とマッチしていて素敵でした。

物語も非の打ち所がないです。作中で起きている出来事は、どこにでも転がってそうな小さなことばかりです。しかし、それが積み重なり、心を揺さぶってくるのです。ほんの些細な偶然から、人間関係が壊れてしまうことは珍しくありません。とてもリアルな物語で、真綿で首を締められているような感覚で読みました。

とはいえ後味は爽やかで、幸福感に包まれながら読み終えることができました。これぞ物語を読む醍醐味でしょう。入間先生、ありがとう!

キャラクタ―

この作品では、語り手がエピソードによって切り替わります。安達としまむらのどちらかの視点で物語が進行するのです。二人のキャラクターの内面が知れるのは嬉しいですよね。

ただし入間先生はこの形式を逆手にとり、読者を恐怖の底に落としたりします。何を言ってるのかわからないと思いますが、『安達としまむら5巻』を読んで頂ければ言ってることは伝わるでしょう。完全にホラーの領域です…。怖すぎでしょ……。

 

閑話休題。メイン二人の魅力に少しだけ触れたいと思います。

安達

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周囲から不良だと思われているクールビューティーです。

途中からしまむら大好き星人になります。しまむらが好き過ぎて支離滅裂な行動を取りがちです。愛は盲目と言いますから仕方ないですね。

安達はこれまで一人も友達を作ったことがなく、人との付き合い方を知りません。おかしな行動を取ってしまうのも、そういう生き方をしてきたからでしょう。家庭にも問題を抱えているっぽいです。

「しまむらと一緒にいたい」「しまむらに嫌われたくない」それが彼女の行動原理です。

はっきり言って、安達は重い。普通の女の子であれば安達とは距離を置きたいと思うはずです。

 

そう、普通であれば。

 

しまむら

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表面的には、ノリがよい普通の女子高生です。初期は髪を染めて授業をさぼっていたので、安達と同じく不良認定されていました。

表面的には、と頭につけたのは、まったく普通じゃないからです。

しまむらは確かに面倒見がいいです。来るものは拒みません。お姉さん属性を持っています。しかし、去ろうとするものは追わないのです。

人や物に執着しない、と作中の人物に指摘されていました。しまむら自身、そのことに自覚的です。

最初は際立った個性には見えませんが、彼女の性格は、話が積み重なっていくにつれて普通の感覚から大きくズレたものだということが明らかになります。

上記で『安達としまむら5巻』は怖い、みたいなことを書きましたが、しまむらのズレっぷりが恐怖を生んでいるんですよね。安達も結構ホラーなことしているのにあまり気にならないのは心理描写が見えているからでしょうね。

しかし、普通とは違うからこそ、おおらかな気持ちで安達の暴走を受け止めることができるのではないでしょうか。

 やはりベストカップルです。できるだけ速やかに末永く結婚してほしい。

まとめ

安達としまむらは優れた青春ものです。「百合は苦手」「日常系は苦手」という人にはおすすめしづらいですが、一風変わった青春ものを読みたいという人にはおすすめです。

 

……しかし、アニメ化は嬉しんですけど、不安も大きいですね。成功することを祈ります。

 

 

 

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 傑作です。『安達としまむら』が気に入った方なら楽しめると思います。