思考するガム

ミステリ、漫画、時々映画の感想ブログです。自分の好きなものを中心に扱います。

『プリズム』貫井徳郎/紹介と感想 事件という名の万華鏡を覗く

ある一点で評価はわかれそうですが、個人的には今まで読んできた貫井のベストです。傑作と言っていいでしょう。細かいミステリ的な部分には言及しませんが、物語の構造には触れるので、知識を入れたくない方は記事に目を通さない方がいいでしょう。

『シャドウ』道尾秀介/紹介と感想 見事な騙し絵

道尾作品を読むのは5冊目。良作だとは思うのですが、本作を読んで自分は「道尾作品の良い読者ではない」と確信してしまいました。これについて後述します。あくまで個人的な好みの問題であり作品の良し悪しとは関係ないので、そこのところは強調しておきます…

『カイジファイナルゲーム』感想/悪魔的に破綻したシナリオ(ギャンブル)

(この映画が好きな人は100%不快になると思うので読まない方がいいです)

『密室蒐集家』大山誠一郎/紹介と感想 ハズレなしの傑作短編集

傑作。「本格ミステリ」「密室」というワードに反応してしまう人であれば必読でしょう。短編集で密室縛りなのにハズレなしという、ちょっとあり得ないクオリティの作品です。ネタバレは控えます。

反省とわたモテとこれから

色々と思うところがあり、ブログの更新をサボりがちでした。全体的に言い訳がましい駄文が続くので興味ない方はスルー推奨です。

『虚構推理』城平京/紹介と感想 本格の可能性を大きく広げた破格のミステリ

本格ミステリ大賞受賞作。漫画版はベストセラーとなり、現在アニメが絶賛放送中です。相当な問題作/クセ玉ながら、本格マニアであれば楽しめる作品でしょう。キャラクター小説としても楽しいです。 ミステリ部分のネタバレはしませんが、構造には触れるので…

『屍人荘の殺人(映画)』紹介と感想/突っ込みどころの多さに脱力

(※この映画が好きな人は高確率で不快になると思うので読まない方がいいです) 製作陣のメンツと予告編の映像を確認した時点でスルー安定な作品ながら、友人の「観に行かね?」という軽いノリに誘われて劇場に足を運びました。開幕数分で貧乏ゆすりが止まら…

『秋期限定栗きんとん事件』米澤穂信/紹介と感想 連続放火事件と操りゲーム

小市民シリーズ第三弾にして、現時点での私的シリーズ最高傑作。究極のキャラミスだと思います。「キャラミス」と呼ばれている作品はたくさんありますが、「キャラクターの立ちっぷり」と「ミステリ要素」の二つが噛み合うことで完成度が高まっている作品ば…

『幻の彼女』酒本歩/紹介と感想 消えた3人の元カノの行方

ばらのまち福山ミステリー文学賞といえば、島田荘司先生が選考委員をされていることで有名ですが、今作はその受賞作です。驚きの奇想を短くまとめ切った佳作だと思います。正直泣かされてしまいましたよ笑

『刀と傘』伊吹亜門/紹介と感想 幕末を生きる人間たちの心の揺らぎを捉えた傑作ミステリ短編集

本格ミステリの魅力とはなんでしょうか。どんでん返し? 物理トリック? 高度なロジック? ええ、人によって好みはわかれるでしょうね。 僕はホワイダニットこそ現代本格の最も重要な要素だと思っています。なので『刀と傘』は、大変面白く読むことができま…

『友達以上探偵未満』麻耶雄嵩/紹介と感想 探偵と助手の関係に新たな光を

麻耶作品にしては普通、という意見を多く見かける本作ですが、まったくそんなことはありません。それについては後述します。

『夏期限定トロピカルパフェ事件』米澤穂信/紹介と感想 日常を飛び越えた傑作ミステリ

小市民シリーズ第二弾。このシリーズの面白さである主人公たちの特異性を極限まで活かしきり、傑作へと昇格させた作品です。日常の謎というフォーマットから逸脱してしまいましたが、そもそも作者はちょっと変わった名探偵小説を書こうとしていたわけで、春…

『リラ荘殺人事件』鮎川哲也/紹介と感想 新本格に連なる殺人劇

山荘での連続殺人を描いた鮎川先生の作品。近年、好事家たちから再評価されていて、もちろん面白いんですが一点気になる点があり、手放しには絶賛できません。それについては後述します。

『星降り山荘の殺人』倉知淳/紹介と感想 スターウォッチャー星園の名推理

作者の代表作の一つ。結論から言うと、傑作でしょう。読みやすくわかりやすいので、ミステリ初心者にもおすすめです。

『クラリネット症候群 』乾くるみ/紹介と感想 人工的な奇想で遊ぶ

結論から言うと、乾くるみらしい、とてもヘンテコな作品でした。個人的には表題作よりマリオネット症候群の方が好きです。ミステリというより奇妙な味に近いかもしれませんね。世にも奇妙な物語が好きな人にオススメです。 この表紙を見て「爽やかな青春もの…

『悪いうさぎ』若竹七海/紹介と感想 世界一不運な女探偵の過酷な一週間

葉村晶シリーズ初長編。可愛らしい表紙とは対照的に内容は重く暗いので注意が必要です。とはいえ、シニカルで軽快な語り口は面白いですし、抜群のテンポ感で読ませます。

『春期限定いちごタルト事件』米澤穂信/紹介と感想 コミカルで楽しい連作短編集

小市民シリーズ第一弾。最近再読したんですが、いい意味で軽いテイストの本作、とても面白かったです。ただこのシリーズ、2作目、3作目から真の魅力や面白さを露わにするので、一作目はキャラクターや世界観を把握する入門書的な読み方をした方がいいかもし…

『虹の歯ブラシ 上木らいち発散』早坂吝/紹介と感想 作者の才気が炸裂した問題作

らいちシリーズ第二弾! 今回は短編集です。処女作『○○○○○○○○殺人事件』の強烈なインパクトに負けず劣らずの怪作にして問題作に仕上がっており、「いよいよこの作者はとんでもない領域にいったぞ…いろんな意味で」とミステリ界隈をぞわつかせました。間違い…

『葬式組曲』天祢涼/紹介と感想 葬式が淘汰されつつある日本が舞台の傑作ミステリ

葬儀をせず、そのまま遺体を燃やす直葬が主流となった日本を舞台にした、傑作ミステリ短編集です。本格ミステリの手法を使い、巧みに人間ドラマを描いています。正直、いくつかの短編では驚きと共に泣かされてしまいました笑 結論から言うと超オススメ 以下…

『君の望む死に方』石持浅海/紹介と感想 被害者視点の斬新ミステリー

ロジカルターミネーター碓氷優佳シリーズ第2弾。 今回は黒幕=被害者視点のミステリーです。 シリーズものになっていて1作目から読んだ方が楽しめるでしょう。まずは『扉は閉ざされたまま』から読んでください。 しかしこの作者、本当に変なこと考えるな…

『Iの悲劇』米澤穂信/紹介と感想 未来のない集落で次々と発生する謎と悲劇

こういうのでいいんだよ、と読み終わえた時に呟きました。こういうのでいいんだよ。 米澤穂信の社会派的な問題意識と本格ミステリ観が見事に融合した秀作でした。 読む前からわかっていたことですが、やはり上手いです。このモヤッとした感覚こそ、米澤穂信…

『殺意の集う夜』西澤保彦/紹介と感想 うっかりな殺人犯の推理の迷宮

「やべぇ、館に居合わせた人達、ほぼ全員殺しちゃったよ…そうだ!唯一私が殺してなかった友人を殺した奴に全ての罪を被せればいいんだ!」 ??? !! なるほど、これはバカミ…怪作ですね。さまざまな特殊設定ミステリを作り上げた作者らしいヘンテコな本格…

『[映]アムリタ』野崎まど/紹介と感想 天才・最原最早の真の目的とは?

奇才・野崎まどの処女作。SFや本格ミステリの手法を巧みに使うその独特な作風で一部、カルト的な人気を誇る作家です。 処女作からその作家性は全開でした。 最後まで読むと、本格ミステリのあるテーマが内包された物語だとわかります。ミステリファンに強く…

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼/紹介と感想 奇術師である作者の巧妙なミスディレクション

いやぁ、清々しいほど騙されました笑 予備知識を入れずに読んだ方が楽しめるでしょう。いますぐこのページを閉じて購入するのが吉です。読む前にどんなものか気になった方や、すでに読んだ方だけが今回の記事の続きを見てください。 未読の方はネタバレ項目…

わたモテ164話『モテないし夏休みから頑張る』 加藤明日香、動きます

もこっちは、ついに最後の夏休みを迎えます。 果たしてどんな夏休みになるのか。楽しみですねぇ。

ブログひっそりと再会します

プライベートや仕事で立て込んでいましたが、そろそろブログを再会します。たぶん誰も待っていないでしょうけど!笑 わたモテ感想やミステリ小説感想の書き方を少し変えていこうかなーと考えています。飽きっぽい性格ですし。 わたモテ感想はもう少し文字数…

『折れた竜骨』米澤穂信/紹介と感想 剣と魔法のファンタジー×本格ミステリ

ジャンルミックスの傑作です。米澤穂信がその実力を多くの読者に示しました。代表作の一つでしょう。

わたモテ163話『モテないし夏』感想/キバ子かわいいよキバ子

www.ganganonline.com 記事の更新遅れたぜー!仕事が本格始動したから仕方ないね 3週間ぶりのわたモテ、めっちゃ面白かったです!!

『密室殺人ゲーム王手飛車取り』歌野晶午/紹介と感想 トリック使いたいから殺してみた!

「殺したい人間がいるから殺したのではなく、使いたいトリックがあるから殺してみた」という物騒な考えを持ったミステリマニアたちが、実際に殺人を犯し、ほかのミステリマニアにどうやって殺したのかを推理させるのが本書の趣向です。ややネタバレの項目も…

『天気の子』感想/セカイ系への肯定

公開初日に観てきました。新海誠作品は今作と『君の名は。』しか観たことがなく、小説版も読んでいないというニワカ野郎だということをまず断っておきます。その上で思ったことをつらつらと書いていきます。今作が好きで新海誠ファンという方は不快になる可…